保育士の業務改善を進める方法とは?目的やICT活用事例、成功のポイントを解説
保育士の業務改善を進めるには、まず日々の業務を洗い出し、不要なものを削ること、そして国のガイドラインやICTシステム、補助金なども活用しながら効率化できる業務を見つけることが大切です。
- この記事のまとめ
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- 業務改善の目的は、子どもたちと向き合う時間を増やすこと
- 本当に必要な業務を見直し、改善していくことが大切
- ICT導入や国の制度を活用することで、業務負担を計画的に減らせる
この記事を読むことで、保育園での業務改善をする方法や具体的な事例を知ることができます。
保育士の業務改善とは?
保育士の業務改善とは、毎日の仕事の流れや仕組みを見直し、「やめる業務」「簡略化する業務」「ICT等で置き換える業務」を整理する取り組みです。厚生労働省も、業務の棚卸しから改善策の検討・実行までを段階的に進めることを推奨しています。
参考:厚生労働省「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン
保育士の業務改善が必要な理由
保育士の有効求人倍率は依然として高く、人材確保が大きな課題です。
2019年5月公表の「東京都保育士実態調査報告書」によれば、保育士が退職をした理由として、「職場の人間関係」「給料が低い」などが挙げられており、仕事を続けにくくする現実的な負担があることも明らかになっています。
実際に、文部科学省が2023年に実施した「幼稚園等における勤務環境等に関する調査」でも、事務作業や保護者対応などの業務について、時間的・精神的な負担を感じているという声が数多くあがっています。限られた人数で現場を回し、子どもと向き合う時間を確保するためにも、業務の効率化が急務です。
保育園における業務改善の基本
業務改善を進める上で大切なのは、「現在、園でどのような仕事が、どのように行われているか」を正しく把握し、全員で共有することです。
- 今の業務内容を洗い出す
- 効率化できる業務を見つける
- チームで担当を決めて改善策を実行する
- 保育補助者などの活用も検討する
具体的な内容をひとつずつ見ていきましょう。
今の業務内容を洗い出す
まずは、毎日の業務を「見える化」することから始めましょう。園全体で共有することで、「同じ内容を二重にやっていた」「一部の先生だけに負担が集中していた」といった問題にも気付くことができます。
効率化できる業務を見つける
すぐに削ることが難しい業務も、やり方を変えることで負担を減らせます。例えば、書類を手書きではなくパソコンで作成・共有する、掃除や準備の順番を見直すなど、小さな工夫でも積み重なれば大きな効果が期待できるでしょう。
また、ICT化は業務削減に役立つケースもあり、登降園管理や保育記録など負担の大きい作業は、システムを導入することで負担軽減につながることがあります。国の補助金を活用すれば、導入費の一部を補助対象とできる場合もあります。補助金制度は年度によって内容が変わるため、実際に導入する際は最新情報をチェックしておくと安心です。
チームで担当を決めて改善策を実行する
改善のアイデアが出たら、実際に取り組みを進めるためのチームを作りましょう。例えば、「書類削減チーム」や「行事準備見直しチーム」のように、テーマごとに担当を決めて取り組むと進めやすくなります。
保育補助者などの活用も検討する
人手不足の解消や先生たちの負担を減らすために、保育補助者や事務スタッフの力を借りるのも有効です。
また、最近ではタブレットやパソコンを使って、連絡帳の記入や出欠の管理、写真の共有などをスムーズに行う園も増えています。こうしたICTの活用も、業務を楽にする工夫のひとつです。
ICT活用で進める保育士の業務改善
近年は、保育現場でもICTを取り入れる園が増えています。
こども家庭庁の「令和6年度 子ども・子育て支援調査研究事業」でも、ICT導入による保育者の業務時間や残業時間の減少が報告されており、国としても導入を後押しする取り組みが進められています。
また、こども家庭庁が実施する「保育所等におけるICT化推進等事業」など、ICTシステム導入を支援する制度も整備されており、登降園管理や保育記録、連絡帳などのシステム導入費用の一部補助が受けられる場合があります。なお、補助金は予算や制度変更により内容が更新されるため、検討時には最新の公表情報を確認することが推奨されます。
参考:
こども家庭庁「令和6年度 子ども・子育て支援調査研究事業 保育の質や保育所等の職員配置に係る指標の在り方に関する調査研究」
こども家庭庁「保育所等におけるICT化推進等事業①」
そもそもICTとは
ICTとは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどを使って情報をやりとりする仕組みのことです。
ICTを上手に活用することで、これまで時間がかかっていた作業を大幅に短縮でき、先生たちの負担も軽減できます。特別なスキルがなくても使えるサービスが増えており、園の規模に合わせて少しずつ導入することも可能です。
厚生労働省によるICT活用事例
厚生労働省は、ICTの導入が業務改善の大きなポイントとして紹介しています。
- 園内・保護者との情報共有
- 写真を使った保育記録・発信
- 登降園・出退勤管理システムの導入
参考:厚生労働省「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」
ここでは、その中から現場で取り入れやすい活用例をいくつか紹介します。
園内・保護者との情報共有
保育園と保護者とのやりとりをスムーズにするために、パソコンやタブレット、スマートフォンを使った連絡ツールを導入する園が増えています。
紙のやりとりが減ることで、紛失や伝達ミスも防げる他、保護者とのコミュニケーションもスピーディーになります。
写真を使った保育記録・発信
ICTを活用すると、保育の記録を写真付きで残したり、保護者に共有したりすることが簡単になります。また、写真の共有だけでなく、写真販売をICTで行うこともできます。
例えば、リコーの「こども成長アルバム そだちえ」は、写真を使った保育の記録や発信に加えて、保護者への写真販売まで一括で行えるサービスです。先生がスマホで写真を撮影するだけで、自動アップロードされる仕組みになっているため、現場の先生の手間を大きく減らすことができます。
登降園・出退勤管理システムの導入
登降園や職員の出退勤を紙で管理していると、記入や集計に時間がかかってしまい、手間が増えてしまいます。そこで、専用の管理ソフトやアプリを導入すると、登降園や出勤・退勤の時刻を自動で記録でき、集計もボタンひとつで行えるようになります。
最近では、保護者がスマートフォンを使ってQRコードをかざしたり、タッチパネルを押したりするだけで登降園の記録が完了する仕組みもあります。紙に名前や時刻を書く必要がなくなるため、朝夕の忙しい時間帯でもスムーズに対応できます。
保育園の業務改善を成功させるためのポイント
業務改善は、現場で働く先生一人ひとりの意見を取り入れながら、園全体で協力して進めていくことが大切です。
ここでは、業務改善を無理なく続けていくためのポイントを紹介します。
園職員全体で目的を共有する
「なぜこの取り組みを行うのか」「何を改善したいのか」という目的を、園全体で共有しながら進めることが大切です。
例えば、会議の中で改善のねらいを話し合ったり、「子どもと関わる時間をもっと増やすために」といった共通の目標を掲げたりすると、自然と協力しやすい雰囲気が生まれます。
定期的に振り返りをする
新しい取り組みを始めたら、「この方法で本当に業務が楽になったか」「新たな負担が生まれていないか」を確認することが大切です。
例えば、月に一度の職員会議や年度末の振り返りの時間を活用して、「やってみてどうだったか」を話し合う場を設けると良いでしょう。
うまくいっていることは他のクラスにも広げ、課題があれば無理のない形に修正していくというサイクルをつくることが、継続的に業務を改善するための鍵になります。
こうした振り返りを重ねる中で、ICTの活用だけでなく、事務作業の分担方法や補助職員の配置といった人的な体制づくりも、負担軽減につながるケースがあるとされています。園の状況に合わせて複数の手段を組み合わせて見直していくことが大切です。
参考:厚生労働省「保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン」
「そだちえ」活用による業務改善事例
ここでは、リコーの「こども成長アルバム そだちえ」を導入し、業務の効率化と心理的な負担軽減を実現した3つの園の事例を紹介します。
- 写真販売の業務・心理的負担を軽減(長野県松本市)
- 集金業務の削減と撮影機会の増加(千葉県流山市)
- 年度末の写真整理作業をなくし効率化(世良田の杜)
実際に「そだちえ」を導入した園では、写真販売の手間や心理的な負担を大きく減らすことに成功しています。3つの園の具体的なお悩みと改善例を紹介します。
写真販売の業務・心理的負担を軽減(長野県松本市)
長野県松本市のある園では、これまで写真販売に関わる「撮影・印刷・掲示・集金・配布」などの作業を職員が全て手作業で行っていました。
「そだちえ」を導入したことで、写真を撮影してアップロードするだけで販売まで自動的に行えるようになり、現金の扱いや配布の手間がなくなりました。
その結果、写真販売にかかる時間が大幅に短縮され、お金の管理がなくなったことで先生たちの心理的な負担も軽くなったといった声が上がっています。
詳しい事例は、以下の記事で紹介しています。
集金業務の削減と撮影機会の増加(千葉県流山市)
千葉県流山市の園では、これまで保護者からの現金回収や領収書の発行、金銭管理といった集金業務が先生たちの負担になっていました。
「そだちえ」の導入後は、保護者がオンラインで購入・決済できるようになったことで、こうした集金作業が不要になり、会計ミスやトラブルの心配も減りました。
また、各クラスにスマートフォンが常備され、先生が気軽に写真を撮れるようになったことで、日々の保育の中での自然な表情や成長の瞬間も多く記録できるようになりました。保護者からも「写真を楽しみにしている」と好評の声をいただいているとのことです。
事例については以下の記事で詳しく紹介しています。
保護者とそだちえの間で代金や写真のやりとりをしてくれるのが助かってます
年度末の写真整理作業をなくし効率化(世良田の杜)
群馬県太田市の園(世良田の杜)では、年度末になると膨大な量の写真データを整理・選別し、印刷・配布する作業が職員の大きな負担になっていました。
「そだちえ」を導入してからは、写真を日々アップロードし、定期的に販売する仕組みが整ったため、年度末にまとめて作業する必要がなくなりました。
また、写真販売の頻度が高くなったことや、価格を以前よりも抑えられるようになったことで、保護者からも喜びの声をいただいているそうです。
事例について詳しくは以下の記事でも紹介しています。
業務改善は「園をもっと良くするチャンス」
業務改善は、先生の仕事を減らすことが目的ではなく、子どもたちと向き合う時間を増やすことが一番のねらいです。
また、ICTを上手に取り入れることで、先生たちの負担を大きく軽減できます。リコーの「こども成長アルバム そだちえ」なら、保育園の先生がスマホで写真を撮影するだけで、データのアップロードから販売までをスムーズに行うことが可能です。
今なら撮影用のスマホを無料でプレゼントしています。詳しくは以下よりご覧ください。

